2025年5月「見えない力をさぐれ!磁石で科学探偵!」
- tguaggressive
- 6月20日
- 読了時間: 4分
2025年5月28日に、小金井市立本町小学校の理科実験室にて、『見えない力をさぐれ!磁石で科学探偵!』というテーマで、小学3年生から6年生までを対象とした実験教室を行いました。
今回は、
「棒磁石のふしぎを、キラキラを使って確かめよう!」
「単極モーターを動かしてみよう!」
「電磁石を作ってみよう!」
「コイルの中に電池を走らせてみよう!」
の4つの実験を行いました。
まず、「棒磁石のふしぎを、キラキラを使って確かめよう!」では、
棒磁石の磁力線を可視化する実験を行いました。2本の棒磁石のN極とS極を近づけると互いに引きつけ合い、N極同士とS極同士を近づけると互いに反発し合うことはよく知られていることです。
では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか?
その理由は、N極とS極は磁力線が繋がっているのに対し、N極同士とS極同士は繋がっていないからです。今回は小学3年生から6年生までを対象とした実験だったため、「磁力線」という言葉ではなく「見えない“線”」という言葉を使って説明をしました。
使用した道具はメタリックタイ,棒磁石2本です。短く切ったメタリックタイを棒磁石に付けてから2本の棒磁石を近づけてみると、下の写真のようになり、「見えない“線”」の存在を確認することができます。


次に、「単極モーターを動かしてみよう!」では、
世界で最もシンプルなモーターを作りました。電気と磁石の力で物が動くという現象を目で見て体験できる、シンプルながらも不思議で面白い実験です。
使用した道具は電池1本,円柱ネオジム磁石4個,銅線約20cmです。まず電池の片方の端に強力なネオジム磁石をつけます。そして銅線を、電池のもう片方と磁石に触れるように曲げます。電池と磁石の間で電流が流れるようにすると、銅線がくるくると回り出します。これは、「ローレンツ力」という力が働いて、導線に回転する力が生まれるためです。今回は「ふしぎな“パワー”」という言葉を使って説明をしました。

次に、「電磁石を作ってみよう!」では、
子ども達一人ひとりに自分だけの電磁石を作ってもらい、先ほど使ったメタリックタイや棒磁石に近づけて遊んでもらいました。
使用した道具は、エナメル線,電池,鉄のボルトとナット,ストロー,紙やすりでした。これらの道具は単体では磁石にはなりませんが、うまく組み合わせることで磁石にすることが出来ます。
この実験で注目してもらったところは、
①「銅線」と「エナメル線」の違うところ ※最後にもう一度説明します。
②電流を流している時だけ磁石になること
③電流の向きを変えると、電磁石のN極とS極が入れ替わること
です。


最後に、「コイルの中に電池を走らせてみよう!」では、
銅線を巻いて作ったコイルの中に両端をネオジム磁石で挟んだ電池を入れると、電池がコイル内をひとりでに進むという現象を紹介しました。
使ったものは、ネオジム磁石,銅線,電池,銅線を巻くための棒です。電池をネオジム磁石で挟むときに、同じ極が向き合うように(S-N S-Nではなく、S-N N-Sの様にする)繫げないと動かないことも紹介をしました。

※銅線とエナメル線の違いについて
銅線は、銅の線であるため、どこからでも電気を流すことが出来ます。それに比べてエナメル線は、銅線の表面にエナメルという絶縁体の膜が貼られており、表面のエナメルをはがさない限り中の銅線に電子を流すことが出来ません。逆に言えば、表面のエナメルをはがした部分からのみ電気を流すことが出来るのです。
今日の実験では、 「単極モーターを動かしてみよう!」と「コイルの中に電池を走らせてみよう!」は銅線を、「電磁石を作ってみよう!」はエナメル線を使用しました。それぞれに適した使い方があるのです。
冒頭に書いた通り今回の実験は、「理科」が始まったばかりの小学3年生から、「理科」を習い始めてから4年目の小学6年生までという幅広い年齢層が対象でした。
学習指導要領での“電気”と“磁石”に関する範囲は以下のようになっています。
3年生で「磁石の性質」 (・磁石に引き付けられる物・異極と同極)
と「電気の通り道」 (・電気を通すつなぎ方・電気を通す物)
4年生で「電流の働き」 (・乾電池の数とつなぎ方)
5年生で「電流がつくる磁力」 (・鉄心の磁化,極の変化・電磁石の強さ)
6年生で「電気の利用」 (・発電,蓄電・電気の変換・電気の利用)
そのため、同じことをしても学年によって受け取り方が異なります。実験によっては既に授業で習ったことがある子もいたため、「もっと上手に実験するならどうしたらいいかな?」と声掛けをし、参加した子全員が新しい発見をできるように工夫しました。
これからも、Aggressive!!は理科の面白さを伝えるため、様々な活動に取り組んでまいります。ご興味をもっていただけましたら、ぜひ本サークル公式SNSのフォローと応援をよろしくお願いいたします!
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